シロアリは黒いアリの仲間ではありません。黒いアリは、もともと蜂だったものが進化してアリになったと考えられています。
では、シロアリは何の仲間なのでしょうか?なんと、ゴキブリの仲間だったのです。進化の過程で強い社会性を身に着けたゴキブリがシロアリになったということです。
王や女王、ワーカーなどの階級がそれぞれの役割を果たす昆虫ですから、黒いアリの仲間と間違われることがありますが、シロアリは進化したゴキブリです。
1億年以上前からシロアリたちはこの地球上に存在していました。なんとシロアリというのは、アリの仲間ではなく、ゴキブリの仲間なのです。
もっと専門的な解釈をすれば、シロアリは進化の過程で社会性を持ったゴキブリといった方がいいかもしれません。
ややこしいの原因は、見た目以上にシロアリの日本語の名前のせいではないでしょうか?
英語ではシロアリのことをtermite(ターマイト)と呼び、white ant(白い 蟻)とは呼びません。
シロアリとクロアリは駆除に使用する薬剤もそれぞれ専門の薬剤があります。
ところが、シロアリの生態はクロアリとの共通点がいくつかあります。
両方とも社会性昆虫であるということ。
繁殖階級を頂点にして、階級に別れて、それぞれの階級が役割を分担してコロニーの存続に尽力しています。
シロアリの羽アリとクロアリの羽アリはよく間違えられますが、大きな三つの違いがあります。
一つ目は、触覚です。
クロアリの羽アリの触覚は平仮名の「く」の字型をしています。
それに対して、シロアリの触覚の形は直線です。さらに数珠の様に小さな玉がいくつも繋がっているような構造になっています。
二つ目は、羽の長さです。
クロアリの羽アリの羽は、頭側の2枚が長く、腹側の2枚が頭側の羽よりも短くなっています(膜翅目)。
それに対して、シロアリの羽アリの羽は、4枚ともほぼ同じ長さをしています(等翅目)。
三つ目が決定的違いです。それはお腹のクビレの有無です。
クロアリの羽アリは胸と腹がくっついている部分が極端に細くなっています。
それに対して、シロアリの羽アリには胸と腹の間にクビレがありません。
シロアリの羽アリには羽を落とすための、切り込みが羽根にあります。
クロアリの羽アリは交尾したら雄は死んでしまいます。クロアリの雄は交尾をしたら用済みになってしまうのです。
それに対して、シロアリの雄(王)は生き続けます。
なぜならシロアリの王はコロニーの存続に関して重要な存在だからです。
シロアリの場合は有精卵を産卵するためには、交尾を繰り返し行う必要があるからです。
シロアリもクロアリも羽アリになる理由は、地上でオスとメスが新しい巣を作るための相手を探すためです。
シロアリの羽アリは地上に降りると、羽を落として新しい巣を作る相手を探します。見事カップルになると、前後に連なり移動します。これをタンデム歩行といいます。
このタンデム歩行は、外敵から自分を守るために行われると考えられています。ですのでレスリングのように二匹で後ろ側の取り合いになります。力の強い個体が、後ろを撮るのですが、弱い個体を盾にするような意図があると考えられています。
驚いたことに、シロアリたちはオス同士、メス同士でもこのようなタンデム歩行を行うことがあるのです。
では、なぜシロアリの羽アリの体は黒いのでしょうか?
シロアリは、地面の中や木の中で活動をします。その時の色は白です。実際には無色で、透き通っています。
普段は日の当たらない地面や木の中で活動しているシロアリですが、透明のまま紫外線に当たると大変なことになってしまいます。
まず、シロアリの体内にはノルハルマンという物質を持っています。この物質は紫外線によって有毒化してしまいます。
さらに、シロアリのお腹の中には共生生物がいます。その共生生物が紫外線によって死んでしまいます。
この共生生物がシロアリが食べる木の成分をシロアリの栄養に分解するのです。
ですから、共生生物が死んでしまうと、シロアリも生きていくことができなくなってしまいます。
しかし、シロアリ達はコロニーが十分に大きくなると、新しい王と女王たちは巣立って、新しい巣を形成しようとします。その時何千匹と羽アリが飛ぶのです。
その時のシロアリ達は黒い色になっています。この黒い色はメラニン色素です。
メラニン色素は紫外線を吸収し、細胞を紫外線から守ってくれる働きがあります。
ですので、シロアリの羽アリはメラニン色素によって紫外線から自分の体と共生生物を守るのです。
では、なぜ地面の中や木の中で活動するときは、無色透明のシロアリなのでしょうか?
それは、コスト削減のためです。メラニン色素を体内で形成するためには、シロアリは体内のチロシンという貴重なアミノ酸を消費する必要があります。厳しい自然界の中では無駄に栄養素を消費することは死活問題です。
ですので、地中や木の中にいる間は、コスト削減のために体が白いままなのです。
ヤマトシロアリの羽アリは新潟県ですと、5月から6月にかけて発生します。一年でこの時期にしか発生しません。
羽アリを見つけて、お住まいの方がシロアリの被害に気づくことはこの時期だけです。
ですが、羽アリが発生する頃には、シロアリのコロニーもだいぶ成熟しているはずです。ですので家屋の被害も進んでいることがあります。
シロアリの被害からお家を守るためには、羽アリが発生する前に、専門業者による点検・調査、及び薬剤による対策をオススメします。
シロアリ駆除をメインに害獣・害虫駆除の依頼を受け付けております。
対応エリア
新潟県阿賀野市、阿賀町、加茂市、五泉市、田上町、新潟市秋葉区。